SHARE the unprivate collection by虫貴族
First Friday: 2021.05.14
5月のFirst Fridayとしてオープニングを迎えた、セゾン現代美術館代表理事堤さんのプライベートコレクション『SHARE the unprivate collection by虫貴族』
その展示総数は50点を越え、大変貴重な作品の数々が3Fガロウと1Fラウンジに展示されております。
虫とアートをこよなく愛し、セゾン現代美術館代表理事としてもコレクターとしても日本のアート界をリードし続けている堤さんですが、ご本人自身も虫貴族という名前で作家活動をしていらっしゃいます。
今回の展示は、スイスを代表する作家のミリアムカーンから、作家でもある堤さんの虫貴族の作品まで、かなり見応えのあるラインナップとなっております。
作品一つ一つが全部主役と言わんばかりの濃密さですが、入り口すぐのところに飾られている畑山太志さんの作品は今回の展示物の中で一番大きな作品で多くの方が足を止めてご覧になります。
この『在り処』という作品をはじめてみたときは印象派のようなブラシストロークで抽象的な表現をする方なのかな、と印象を受けましたが、作家さんと直接お話しする機会があり伺ってみたところ、この絵の場合は御神木をモチーフに描いており、白く塗られたキャンバスの下にはしっかりと色がついたモチーフの絵が存在しているそうなのです。そこから空気感や感覚的なものだけを表に残していったものが最終的な作品の姿になっています。
写真では伝わらない繊細な表現をぜひ見て欲しいです。
技法も、表現方法も、コンセプトも、アプローチも、年代も、まさに多種多様な、ものすごい情報量の展示空間となっております。
次いつお目にかかれるかわからない貴重なコレクションをみにぜひ足をお運びくださいませ。
堤さんのインタビュー記事はこちら。ぜひご覧ください。
堤たか雄 Takao Tsutsumi
セゾン現代美術館代表理事。1970年生まれ。父は小説家・詩人(実業家)、母は地唄舞の舞踊家、兄は芝居等舞台芸術のプロデューサーという芸術一家で育った。家族みな自然が好きだったため昆虫にも興味を持ち、暗く孤独な思春期にも昆虫とアートを愛し続けたことで、趣味と仕事の一体化を実現し、現在に至る。2015年度NY AGORA GALLARY主催のコンペティション審査員、講演は2014年静岡芸術劇場、2015年アーツ前橋、執筆は読売新聞長野版「名作招待席」等。