”FUTURE MEMORY”
Akira Fujimoto / Cannon Hersey
First Friday: 2021.08.06
8月6日、広島に原爆が投下された日、First Fridayは ”FUTURE MEMORY” Akira Fujimoto / Cannon Herseyのオープニングが行われました。
アメリカで初めて原爆被害の惨状を伝えた書として知られるジョン・ハーシー記者の孫、キャノンハーシーが、祖父から預かり委ねられた使命と絆を受け継ぐべく、
社会現象や環境問題をモチーフとして、様々なメディアで作品展示やアートプロジェクトを展開する日本人アーティスト、藤元明と手を組みスタートした、
原爆や戦争など社会的喪失の記憶をテーマにした国際的プロジェクト「FUTURE MEMORY」。
今回の展示作品の中には広島に贈られる千羽鶴を100%再利用した再生紙なども展示されており、
原爆をテーマにしたとてもシリアスな空間でありながら、
でもどこか、、、いつもなら「悲劇」に隠れてしまう、でも確かにそこにあった温かい記録と記憶が紡がれたものとなりました。
作家の中の記憶と、全く別の誰かの人生と記憶が詰まったオブジェクト。
言葉を持たない物体に詰まった思いや心を解いていくような不思議な経験ができます。
オープニングのトークの中で、藤元さんが「悲しいことだけではなく、絆とかそういうものも繋げていきたい」とおっしゃっていました。
目を背けたくなる惨劇は時間をかけて平和への誓いと絆に変わっていきます。
この展示を通して、その時生きた人々の記憶と、今を生きている私たちの思いと心を繋げて、
平和を願う絆を未来の記憶に受け継いでいきたい。
そう強く思わせてくれる貴重な展覧会です。
アートでしか語れない歴史、記憶、思いが詰まった「FUTURE MEMORY」、
ぜひ足をお運びください。