コートヤードHIROOは2021年5月4日(金)~4月28日(金)までの期間中、
セゾン現代美術館代表理事堤さんのプライベートコレクション
『SHARE the unprivate collection by虫貴族』を開催致しました。

世界のミリアムカーンから、ナイーブアーティストまで展示総数50点を越えるこの展示は本当に見応えのあるものでした。

多様性のある都市を「人種の坩堝」と表現するならば、この空間は「アートの坩堝」とでも言いましょうか。。
年代も表現方法も媒体も様々な作品が並んだ展示をみることはとても貴重な空間でした。
そしてそれは日本のアート界をひっぱっていらっしゃる堤さんのお人柄を想像する機会でもありました。

コレクターさんの中にはアートは投資目的で買う方もいらっしゃいますが、堤さんのコレクションを拝見して感じたのは、やはり"アートが好きだから、自分の好きなアートを買う"というシンプルさでした。

まだ日本ではそこまで有名ではなかった頃のミリアムカーンの作品をなぜ買われたのですか?とお伺いしたところ、「ゆるキャラ感が自分と重なって良いなと思った」と仰っていました。
芸術はその背景にある文脈で良し悪しの評価をされることが多いですが、堤さんのこの言葉には文脈より何より前にある'なんか好き'という気持ちを感じました。

コートヤードのインタビュー記事で堤さんはこのように述べております。

『アートにも虫にも共通しているのは、「これはなんだろう?」「どうしてこうなっているんだろう?」と、見る人に考えさせるところです。』

『アートとは、単に「観賞して、楽しむもの」ではありません。自分を含め、「人間」というものに対する理解を深めるツールになったり、自分の人生を振り返るきっかけとなったり、未来に対して夢を抱く動機となったり、アートとは変幻自在の魅力を兼ね備えた媒体なのです。』

人が琴線に触れるポイントというのは人それぞれですので、どの作品で足を止めるかも十人十色です。
説明書きがないとことから紐解いていく「アートを読む」と言う現代アートにおける作業は、社会や世界に向けたコンセプトよりも手前に、受け取り手のそれまで培ってきた情報や感情を映し出す鏡にもなり得るのがアートという媒体です。

自分の理解を超えるような魅力、言葉にできないような哲学に対し、追求し認めるというシンプルな姿勢。
それこそが、まさに日本のアート界をリーディングしてきたコレクターの堤たか雄さんという方のアートへの向き合い方なんだなと本展示を通して感じました。