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青井 茂 株式会社アトム 代表取締役

表面だけ取り繕っても、化けの皮は剥がれる。臆することなく本質に挑みつづけたい。

富山の100年後

Imagine, 100 Years.

未来は、人間の想像力の範囲を超えない。未来を創り、そこで生きるのが人間である以上、人間が想像した分だけ、未来は可能性を持つことになるのだ。だったらとことん魅力的で面白く、クリエイティブな未来を想像しよう! 富山に住んでいる人や働く人、まったく縁を持たないけれどなぜか富山が好きな人。そんなふうに富山を愛し、大事に思う人たちが自由に描いた「100年後の富山」。一人一人の純粋な気持ちが何層にも重なり合って、富山の未来は創られていく。

メッセージ抜粋
「そのままで良いものは変わらず、そうでないものは、より良くとぎすまされて欲しい」
「ワクワクする場所であってほしいです」
「今のままでいてほしい」
「ムラ意識が無くなって多様性を認める人、柔軟な人が増えてほしい。」
「都会と自然の調和!」
「自然と共生したままあらゆる生物の幸福度が上がっている」
「自然と人の優しさは今のまま。あとは若い人が多くなって色々な方に住んでいただいて賑わっている街になってほしい!」
「現存する文化が残っていること。さらに引き継がれた上で進化していてもらいたい」
「高齢化社会の中でも高齢者が満足して暮らせる町」
「都会化とは違う発展をして欲しい。独自性を強化してほしい」
「〈富山-東京-世界〉というような、一度東京を経なければ世界と勝負できない現状から、〈富山-世界〉とダイレクトに繋がれて戦えるようになっていたら良いです」

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小室絢人 株式会社アトム グローバルビジネス ディビジョン

人生のレールをわざと踏み外したからには、「絶対、しあわせになってやる」というプライドがあるだから、僕は挑戦することをやめない

カンボジアに住んで1年が経った。こっちへ来た目的は、以前からA-TOMが行ってきた投資事業を拡大すること。だからはじめの頃は、投資先のマイクロファイナンスがどんな活動をしているのか知るために、現地スタッフと一緒にバイクで走り回ることも多かった。スコールに打たれながら田舎のガタガタ道を何時間も走ったこともある。だが、苦労して事業の実情や可能性を調べ、日本にいる本社の人たちへ伝えても、よく理解してもらえなかった。初めは距離と時差があるからだと思ったが、どれだけ言葉を尽くしても理解してもらえないのは、結局僕への信頼が足りないからだと、自分の力不足に悔し泣きもした。だがあるとき、僕が予想していたことが現実となり、ようやく僕の言うことを理解してもらえた。この国でやっていける。そう自信がついたのはこっちへ来て数カ月後のことだった。

僕は大学を卒業後、大手銀行に就職した。それまでの僕は親の期待に応え、優等生でいることに居心地の良さを感じていたのだ。法人営業の部署に配属された僕は、毎日ビシッとスーツを着て、いろいろな企業を回った。転機が訪れたのは社会人2年目。友人と尾道へ行き、そこでたまたまA-TOMの代表である青井茂さんに出会ったのだ。それから急速に青井さんと親しくなり、知り合って1年後、「一緒にA-TOMで働かないか」と誘われた。僕は迷わず「よろしくお願いします!」と返事した。給料や待遇なんてどうでもよかった。ただ、「この人と一緒に働きたい」と思ったのだ。

なぜ、青井さんという人物にそこまで惹かれたのか。多分僕は、青井さんが人生を丸ごと賭けて、何か大きなものに挑戦しようとしている姿に憧れたのだ。そして僕の中で眠っていた、「敷かれたレールを踏み外し、自分の力を極限まで試したい」という欲望が激しく燃え上がったのだ。銀行員時代の僕は、常に上りのエスカレーターに澄ました顔で乗っていたとしたら、今の僕は、下りのエスカレーターを全速力で駆け上がろうとしている。カンボジアは今、急激に成長していて、中国の大財閥もどんどん手を伸ばしている。一瞬ぼんやりしただけでチャンスを失うのだ。そんな毎日は緊張とプレッシャーの連続だが、確実に言えるのは、銀行員時代の僕には想像すらできなかった、自分の力で生きているという手応えがあること。僕ははじめ、A-TOMの利益になるビジネスをこの国で興したいと思っていたが、今は考えがちょっと変わった。この国が歴史的に欧米や中国、さらに周辺のタイやベトナムから搾取され続けてきたことを知り、なんとかしたいと思うようになったのだ。そのため今は、発想力と行動力はあるが、資金のない、現地の若者たちと手を組んで何か形に残ることをしたいと、アイデアを膨らませている真っ最中だ。新しいパートナーを見つけるため、ガタガタ道を数時間も車に揺られ、遠方の農場や工場を訪れることも多い。のんびりやなカンボジア人と時間感覚が合わず、イライラすることもある。この国特有の政治文化に悩まされ、あちこちの省庁をたらい回しにされることもある。だが僕は、挑戦することを決してやめない。自分の意思でレールを外れ、この道を選んだ以上、絶対夢をつかんでやると決めている。


小室絢人
1992年、埼玉県鴻巣市生まれ。慶應義塾大学卒業後、三菱東京UFJ銀行(現:三菱UFJ銀行)に就職。2017年A-TOMに入社し、2018年5月からカンボジアへ赴任。現在は社長直下の海外新規事業開発に従事。夢は、100年後の若者から尊敬されるビジネスを創り出すこと。趣味は、見知らぬ土地への一人旅。

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