COURTYARD HIROO
2025
9.27
10.12

GROUP EXHIBITION 「OUT OF THE LOOP」

細野晃太朗さんキュレーションによる、西雄大さん、岩村寛人さん、佐々木亮平さんの3名によるグループ展『OUT OF THE LOOP』の開催が決定しました。2014年のオープン時に展示空間を手がけてくださった彼らが、11年ぶりに再び集まります。彼らが作り出す空間と再会できることが私たちにとっても、とても楽しみです。この機会にぜひ、足をお運びください。


GROUP EXHIBITION「OUT OF THE LOOP」
会期:2025年9月27日(土)~10月12日(日)
営業時間:12:00-19:00
会場:コートヤードHIROO
CLOSE MONDAY
OPENING RECEPTION 9月27日(土) 15:00-19:00



OUT OF THE LOOPに寄せて

11年前の10月。まだコートヤードに画廊ができる前。
電気も通っていないスケルトンの鉄筋コンクリートの空間で展示をした。
その時は「ギャラリーじゃない場所をギャラリーに」とかってコンセプトで(今もやっていることに差異はないんだけど)東京に来たばかりの西雄大と東京出身でひょんなことから出会った同い年のKANTOとライブペイントの会場で出会ったこれまた同い年で福岡の佐々木亮平の3人と好きなように作品を飾った。


植物を置いたり、ベッドやソファーを置いたり、そこにあるものと作品が渾然一体となって「あー心地いいな」と思ったのを覚えている。こんなことができる場所があったなんて。整っていないが故の良さが満ち満ちていた。

ANAGRA以外で展示をするのは初めてだった気がする。

地下から出た我々はコートヤードの芝生に寝転んだり、設置したベッドに座ってビールを飲みながらお客さんと話をしたり、子供が走り回っているし、作品は陽の光を浴びていた。

あれから10年が過ぎた。それぞれとは展示をつくったり、物をつくったり、空間をつくったり、たまに遊んだりして関係は続いていてずっと彼らの作品を見続けてきた。
太いラインや迷路のような線、ガラスペンで描かれた繊細な画面。シグネチャーのようなものを見つけた気がしてつくり続けた。
タグやロゴになるような一眼でこの人の作品だ、とわかる絵柄や技法。それを続けていくと確かに仕事になるかもしれない。
20代のわたしたちはそう思っていたのだろうか。ある時、作品と自分が分裂してしまっていることに気づく。それでも続けなければいけない。これはとても苦しいことだ。

社会というものはどんな世界においてもある種のシステムの中を回り続ける。息切れに気付く間もない。連続性の中に取り込まれてしまう。それはつくる、というより作業に近い。もちろん作業の楽しさもあるがそれは仕事というより労働なのかもしれない。
労働・仕事・活動からなる自分の円グラフ。

変化する、という感覚はどういうものだろうか。今の彼らの地点しか知らない人は10年前の彼らの作品を観て同一の人物だとわかるだろうか。
今ある彼らの作品は10年前には当然つくることができない。それは技術が不足しているからではない。人脈が足りないからじゃない。単純に立っている地点が違う。そして何か違ったことをしようとする自分を肯定した。この10年の年月が彼らに何を与えてきたかはわからない。でも確実に変化してきた。それはなにも作品だけではない。彼らも変化し続けている。大きなきっかけはないかもしれないが変化するという感覚を得るには続けるしかないように思う。
でもそんなこと誰も知らないわけだ。たまに出てくることもあるが我々はこの数年ほとんど石の裏っ側にへばりついていた。石の裏にも生活や生態系がある。
ひっくり返さないとそれを感じることができないが、残念ながら人は歳をとると石をひっくり返すことをしなくなってしまうようだ。

話は少し逸れるが、10年前の私たちにとっては「石の裏」とは ANAGRAだった気がする。くっついたり離れたり増殖したり発光したり。粘菌のような人間がたくさんいた。



一方で、たまには生きていることを知らせなきゃいけない、とも思う。方法は1つしかない。そう思って展示の話をするために集まろうと3人に連絡した。山梨の自邸で時間を過ごし、川で焚き火をした。これが我々にとっての打ち合わせ。と、私は思っている。
たまにポロポロと言葉を発するもののほとんど会話もない。それぞれが火を見つめたり、水に入ったり、獣の骨やいい塩梅の石を探したり、目を閉じてビーチベッドに横たわったりしている。どういう展示にするかなんて結局最後まで話さなかった。それがとても心地よかったし、最もこの10年を感じた。
同じ景色を見たり、空気を吸ったり、最近の自分の考えを共有することが大事なように思う。そうすることで物理的な距離をすっ飛ばし、彼らを知ることができる。


最後の最後、拾ってきたゴミでなんかよくわからないものをつくった。もう展示は始まっている。


山梨に越してきて3年。物理的に距離ができたが最初っからこんなもんかとも思う。

会う人には会うし会わない人は会うことがない。東京時代によく会っていた彼らももしかしてもう二度と会うことはないかもしれない。そしてそれは別段寂しいことではない。
みんな石の下のような場所で問答し、生活している。出てくるタイミングが合えばまた、という感じ。それぞれのバランスがあってそれぞれに適したループがあるはずだ。自治していけばいい。



それぞれ一脚づつ椅子をつくること。余計なことは考えず楽しく作品をつくること。そしてみんなでいい展示をつくることだけを約束した。
コンセプトなんてありゃしない。そもそもそんなものあったっけ?いい展示ってなんだっけ?
我々の今の地点を観てもらうことが生存確認。SNSの世界でカラカラ回ってなくたって、私たちは生きています。

KOTARO HOSONO | 細野 晃太朗


ARTISTS

KANTO IWAMURA | 岩村 寛人

1985年東京生まれ。
ロンドンのAASchool of Architectureで建築を学ぶ。その後、製図技術の延長として発案した「A_Maze」という画法を元に画家としての活動を開始。現在は建築を出発点とする芸術性や社会性を題材とした作家活動のなかで、時間とプロセスという概念を空間・立体・平面の媒体でクロスオーバーさせた表現を試みる。


RYOHEI SASAKI | 佐々木 亮平

1985年福岡県生まれ、福岡在住。緻密な描写を特徴とする絵画から出発し、近年は色彩を軸に大胆な表現へと展開。身の回りの体験やイメージを最適な方法で形にすることを探求し続けている。 


YUDAI NISHI | 西 雄大

1991年愛知県生まれ。
京都精華大学卒業後、東京を拠点に作家活動を開始。近年は愛知にアトリエを移し、平面作品を中心に、立体作品やドローイングブックの制作など、多岐にわたる表現に取り組んでいる。

KOTARO HOSONO | 細野 晃太朗
1986年生まれ。東京都中野区出身。山梨県在住。2013年にオルタナティブスペース「ANAGRA」を立ち上げ2016年まで企画運営を務める。2021年、アパートの一室をセルフリノベーションした不定期オープン完全予約制住所非公開の芸術鑑賞室「HAITSU」を立ち上げる。現在山梨県に移住し、都市ではで きない鑑賞や展示のあり方の提示として2024年に北杜のアート施設ガスボンメタボリズム内にギャラリー〇〇(ほにゃらら)を、2025年には自宅の離れをセルフリノベーションしたリビング型ギャラリー「HAUSU」をオープン予定。

https://www.pingpaling.com

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